小保方晴子氏手記「あの日」1月28日発売
手記の発売について
STAP細胞の小保方氏の手記「あの日」が2016年1月28日に発売されるそうです(Yahoo!ニュース)。STAP細胞については書く気はなかったのですが(ありふれたことしか書けないと思っていたので)、このサイトを立ち上げたタイミングで飛び込んだニュース。書くしかないですね。
そのうち、手記は発売されるだろうとは(誰もが)思っていましたが、最高のタイミングですね。STAP細胞の発表があったのが2014年1月28日、ちょうど二年後に手記発売。既定路線だったんでしょう。
一か月ちょっと前、テキサス医科大学の「iMuSC細胞」の論文で、「STAP細胞があったのか?」みたいな話題で盛り上がったのは、出版社にとっても嬉しいできごとだったでしょう。
STAP細胞はあったのか?
実際にSTAP細胞があるのかどうか、私にはわかりません。もし、小保方氏がSTAP細胞を作ったことがあったとしても、かなりの偶然に左右されての結果だったことは間違いありません。再現性よく作製する要件まで明確にできていなかったのですから。
私も一応研究者なので、研究者の立場からの私見を少しだけ。
何にもないところから、ねつ造することはさすがに考えにくいですね。おそらく、何らかの兆候はあったはずです。理研のいうES細胞の混入かもしれません。少なくとも「万能細胞ができた!」と誤解するような結果が一度は得られたと思います。そうなると少し暴走してしまう気持ちはわからないでもありません。
私は企業の研究者ですので立場が違います。でも、研究というのは「上手くいった」と自分が納得するだけでは意味がないのは同じことです。自分では間違いないと確信しても、他の人(上層部とか)に説明して納得してもらえなければそれで終わりです。
研究結果を人に説明するときに、どうすれば説得力を持たせることができるか、ということに皆腐心します。研究者としては優秀でも、回りに上手く説明できないため、成果がでない研究者もいます。この説明能力も研究者の大事な資質のひとつです。
ここに落とし穴があります。
もちろん、嘘にならない範囲で説明することが鉄則です。でも、周囲を説得しなけらばならないのですから、少し道を外れて誇大広告になってしまうことは可能性はあります。
もちろん、間違いだったら大変です。後々自分が苦労します。ですから自信がなければ誇大広告などしません。でも「自分では間違いないと確信していると……」。そして「確信していたのに実は違っていたら……」
どの程度の確証があれば、間違いないと確信するのかというのは非常に個人差が大きいものです。もしかしたら、小保方氏は……
やばい、思ったより書きすぎてしまいました。小保方氏本人を知らない人間がこれ以上語るのは、誇大広告です。自分自身が「小保方氏がこんな人で、こういう理由でこうなったんだ」と思いこんでいても、確証がない自分自身の考えに過ぎないのですから。
手記は売れる?
売れるでしょうね。出版社の思惑に乗っかるかもしれませんが、おそらく私も買います。興味本位で……